第8章 仕入税額控除と還付

第8章 仕入税額控除と還付 8-1 仕入税額控除の基本原則 韓国VATにおける仕入税額控除(매입세액공제)は、事業者が課税事業に関連して支払ったVATを売上税額から差し引くことができる制度です(付加価値税法第38条)。多段階課税構造の中核をなす仕組みであり、最終的に消費者のみが税負担を負うことを担保します。 控除を受けるための主な要件は以下のとおりです。 一般課税者…

第8章 仕入税額控除と還付

第8章 仕入税額控除と還付

8-1 仕入税額控除の基本原則

韓国VATにおける仕入税額控除(매입세액공제)は、事業者が課税事業に関連して支払ったVATを売上税額から差し引くことができる制度です(付加価値税法第38条)。多段階課税構造の中核をなす仕組みであり、最終的に消費者のみが税負担を負うことを担保します。

控除を受けるための主な要件は以下のとおりです。

  • 一般課税者として登録されていること(簡易課税者は控除不可)
  • 控除対象となる仕入が課税売上に対応するものであること
  • 適式な税金計算書または信用カード売上明細書等の証憑を保有していること
  • 仕入税額の申告期限(確定申告)までに証憑を受領・登録していること

8-2 控除不能税額

以下の仕入税額は、たとえ課税事業者が支払っていても控除が認められません(付加価値税法第39条)。

  • 非事業目的の仕入: 個人的・家事的消費に係るもの
  • 接待・交際費関連仕入: 一定の交際費に係る仕入税額
  • 非課税・免税事業向けの仕入: 免税品目の製造・販売に使用した仕入
  • 業務用乗用車: 排気量1,000cc超の乗用車の取得・賃借・維持費
  • 불성실 기재(不実記載)の税金計算書: 事業者登録番号・金額等の必須記載事項に誤りがあるもの

8-3 按分計算(課税・免税混在事業者)

課税取引と免税取引の両方を行う事業者は、共通仕入れに係る税額を**課税売上割合(과세공급가액÷총공급가액)**で按分し、課税対応部分のみを控除します(付加価値税法第40条)。実務上は、商品・サービスカテゴリーごとの仕入を正確に分類するシステム管理が重要です。

8-4 還付の仕組み

課税期間における売上税額より仕入税額が上回る場合(例:輸出主体の事業者、設備投資期の事業者等)、差額は**還付(환급)**されます。

通常還付のプロセス:

  1. 確定申告書に還付税額を記載して申告
  2. NTSが申告内容を審査(通常30日以内)
  3. 事業者の指定口座に還付金が振込まれる

早期還付制度(조기환급):
設備투자(機器・건물 취득)やゼロ税率(輸出)取引が多い事業者は、確定申告を待たずに予定申告期間ごとに早期還付を申請できます。申請から25日以内に還付が行われます。

8-5 外国法人の還付申請上の注意点

韓国国内に支店・事務所を置く外国法人が還付を受ける場合、還付金の受取口座は韓国国内の銀行口座であることが求められるのが原則です。外国の銀行口座への送金を希望する場合は、別途NTSとの協議・書面申請が必要になるケースがあります。

また、NTSは大口還付請求(一般的に5,000万ウォン超)については詳細な事前確認(조기환급검토)を行う場合があります。輸出増加・設備投資・新規事業開始など還付発生の合理的な理由を示す証憑を整備しておくことが重要です。

8-6 簡易登録外国デジタルサービス事業者の還付可否

簡易登録制度を利用する外国デジタルサービス事業者については、B2C取引のみを前提としているため、仕入税額控除・還付は原則として認められません。韓国向け事業の仕入コストに含まれるVATを回収したい場合は、通常登録(일반사업자등록)への切替を検討する必要があります。ただし通常登録には代理人設置・事業場確保等の要件を満たす必要があるため、事業規模・収支を考慮した判断が求められます。


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第7章 申告と納税の手続き | 第9章 マーケットプレイス法と代理徴収


免責事項

本記事は、韓国の付加価値税制度に関する一般的な情報提供を目的として作成されたものであり、税務・法務・会計上の専門的なアドバイスを構成するものではありません。記載内容は作成時点の情報に基づいており、法令・規則・通達等は随時改正される可能性があります。個別の取引や事案に対する判断にあたっては、必ず韓国の税務士(세무사)、公認会計士(공인회계사)、または国際税務に精通した専門家にご相談ください。本記事の利用により生じたいかなる損害についても、オプティ株式会社は一切の責任を負いません。