第2章 課税対象取引と適用範囲

第2章 課税対象取引と適用範囲 2-1 課税対象取引の三類型 韓国VATの課税対象は、付加価値税法第4条により以下の三類型に分類されます。 ① 財貨の供給(재화의 공급) 有形・無形を問わず、財貨(物品・権利)を対価と引き換えに引き渡す行為が該当します。売買契約に基づく商品の引き渡しのほか、現物出資・代物弁済・交換なども含まれます。自家消費や事業廃止時の残存財貨についても…

第2章 課税対象取引と適用範囲

第2章 課税対象取引と適用範囲

2-1 課税対象取引の三類型

韓国VATの課税対象は、付加価値税法第4条により以下の三類型に分類されます。

① 財貨の供給(재화의 공급)
有形・無形を問わず、財貨(物品・権利)を対価と引き換えに引き渡す行為が該当します。売買契約に基づく商品の引き渡しのほか、現物出資・代物弁済・交換なども含まれます。自家消費や事業廃止時の残存財貨についても、みなし供給として課税される場合があります。

② 役務の提供(용역의 공급)
請負・委任・雇用その他の契約に基づき、労務・便益・その他の役務を提供する行為です。建設・運送・倉庫・金融(一部を除く)・通信・広告・コンサルティング・デジタルサービスなどが対象となります。

③ 財貨の輸入(재화의 수입)
外国から韓国に財貨を持ち込む行為は、事業者・消費者を問わず輸入VATの課税対象となります。輸入VATは関税と同様に税関で徴収されます。

2-2 取引の「場所」と国内取引の判定

VATが課税されるのは「韓国国内」で行われた取引です。取引地の判定基準は取引類型によって異なります。

  • 財貨の供給:財貨が引き渡される場所または移動が開始される場所が韓国国内であれば国内取引とみなされます。
  • 役務の提供:役務が実際に提供される場所を基準とします。ただし電子的役務(デジタルサービス)については、役務の受領者(消費者)が所在する国が供給地とみなされます(付加価値税法第20条)。このルールにより、日本から韓国の消費者へデジタルサービスを提供する場合は「韓国国内取引」として扱われます。

2-3 越境デジタルサービスの適用範囲

2015年の法改正以降、外国法人が韓国の消費者(B2C)に提供する電子的役務は課税対象とされています。「電子的役務」の範囲は施行令第2条の2で定義されており、以下が含まれます。

  • ゲーム・音楽・動画・電子書籍などのデジタルコンテンツの配信
  • ソフトウェア・アプリケーションのダウンロードおよびストリーミング提供
  • 広告サービス(仲介プラットフォームを含む)
  • クラウドコンピューティング・SaaS・IaaS等のクラウドサービス
  • インターネットを通じたオンライン教育・コンサルティング

なお、B2B取引(韓国の事業者登録を持つ法人等への提供)については、受領事業者側がリバースチャージ方式で申告・納付する制度は韓国では限定的であり、外国事業者が直接申告するケースが多くなっています。

2-4 非課税・課税外取引との区別

課税対象取引と混同されやすいものに「免税取引」と「課税外取引(不課税)」があります。免税取引は課税対象でありながら税率0%(ゼロ税率)や法定免税が適用される取引です。課税外取引は、雇用契約に基づく給与・配当金の受取・保険金受取など、そもそも付加価値税の枠外に置かれた取引です。この区別は仕入税額控除の可否に直結するため、実務上は正確な分類が求められます。

日本の事業者が韓国向けに物品や役務を提供する際は、まず「取引が韓国国内取引に該当するか」を判定し、次に「課税・免税・課税外」のどれに当たるかを確認することが、適切なVAT処理の第一歩となります。


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第1章 韓国の付加価値税(부가가치세)とは | 第3章 税率と免税取引


免責事項

本記事は、韓国の付加価値税制度に関する一般的な情報提供を目的として作成されたものであり、税務・法務・会計上の専門的なアドバイスを構成するものではありません。記載内容は作成時点の情報に基づいており、法令・規則・通達等は随時改正される可能性があります。個別の取引や事案に対する判断にあたっては、必ず韓国の税務士(세무사)、公認会計士(공인회계사)、または国際税務に精通した専門家にご相談ください。本記事の利用により生じたいかなる損害についても、オプティ株式会社は一切の責任を負いません。