第4章 事業者登録制度

第4章 事業者登録制度 4-1 事業者登録の義務と概要 韓国国内で課税事業を行う者は、事業開始日から20日以内に管轄税務署(세무서)または홈택스(HomeTax)オンラインシステムを通じて事業者登録(사업자등록)を申請する義務があります(付加価値税法第8条)。登録が完了すると10桁の事業者登録番号(사업자등록번호)が付与され、この番号が税金計算書の発行・受取や各種申告手続きの基盤となります。…

第4章 事業者登録制度

第4章 事業者登録制度

4-1 事業者登録の義務と概要

韓国国内で課税事業を行う者は、事業開始日から20日以内に管轄税務署(세무서)または홈택스(HomeTax)オンラインシステムを通じて事業者登録(사업자등록)を申請する義務があります(付加価値税法第8条)。登録が完了すると10桁の事業者登録番号(사업자등록번호)が付与され、この番号が税金計算書の発行・受取や各種申告手続きの基盤となります。

登録申請に必要な主な書類は以下のとおりです。

  • 事業者登録申請書(사업자등록신청서)
  • 法人の場合:法人登記簿謄本、定款の写し
  • 外国法人の場合:本国での法人設立証明書(アポスティーユ付)、韓国代理人の委任状
  • 事業場の使用権を証明する書類(賃貸借契約書等)

4-2 一般課税者と簡易課税者

韓国VATでは、年間課税供給額に基づき「一般課税者(일반과세자)」と「簡易課税者(간이과세자)」に区分されます。

  • 一般課税者:年間課税売上が8,000万ウォン以上の事業者。仕入税額控除・税金計算書の発行が義務付けられます。
  • 簡易課税者:年間課税売上が8,000万ウォン未満の小規模事業者。業種ごとに定められた付加価値率を用いた簡易計算が認められ、税金計算書の発行は原則不要(一部業種を除く)。

なお、法人事業者は売上規模にかかわらず自動的に一般課税者となります。外国法人が韓国国内に設置する支店・事務所も一般課税者として登録します。

4-3 外国法人・非居住者の登録

韓国国内に事業場(고정사업장)を有する外国法人・個人は、国内の一般的な事業者と同様に管轄税務署で登録を行います。一方、韓国国内に固定的事業場を持たない外国法人が課税対象取引を行う場合は、税務代理人(납세관리인)を選任した上で登録・申告することが求められます(付加価値税法第8条第3項)。

4-4 非居住外国事業者向け簡易登録制度

2015年7月の付加価値税法改正により、韓国国内に事業場を持たない外国のデジタルサービス事業者を対象とした**簡易登録制度(간편사업자등록)**が導入されました(付加価値税法第53条の2)。

この制度は、Google・Apple・Netflix・Spotifyなどのグローバルプラットフォームと同様に、日本の事業者が韓国消費者向けにデジタルサービスを提供する場合にも適用されます。

簡易登録の主な特徴:

  • NTSのオンラインポータル(https://www.nts.go.kr)から英語・日本語でオンライン申請が可能
  • 韓国国内の代理人設置・事業場確保が不要
  • 付与される番号は通常の事業者登録番号と区別される「外国事業者登録番号」
  • 申告はNTS HomeTaxの外国法人専用メニューから年2回(半期ごと)提出

登録義務の発生条件:
韓国の非事業者(一般消費者)へのデジタルサービス提供が発生した時点で登録義務が生じます。売上規模に関する最低閾値は定められていないため、たとえ少額であっても申告義務が発生します。

4-5 登録しないリスク

無登録で課税取引を行った場合、NTSは推計課税(추계과세)を行うことができ、無申告加算税(20%)・不申告加算税・延滞税が追加されます。また、電子税金計算書を発行しないことで取引相手先の仕入税額控除が否認されるリスクもあり、取引関係の信頼損失にもつながります。事業開始前に適切な登録手続きを行うことが、コンプライアンスの第一歩です。


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第3章 税率と免税取引 | 第5章 越境EC事業者の課税義務


免責事項

本記事は、韓国の付加価値税制度に関する一般的な情報提供を目的として作成されたものであり、税務・法務・会計上の専門的なアドバイスを構成するものではありません。記載内容は作成時点の情報に基づいており、法令・規則・通達等は随時改正される可能性があります。個別の取引や事案に対する判断にあたっては、必ず韓国の税務士(세무사)、公認会計士(공인회계사)、または国際税務に精通した専門家にご相談ください。本記事の利用により生じたいかなる損害についても、オプティ株式会社は一切の責任を負いません。