Brexit後の英国VAT完全ガイド|EU対応とは別に必要な英国固有の手続きとは
2021年のBrexit以降、英国はEUとは別のVAT制度を持ちます。英国向けに越境EC販売をするなら、英国VAT登録とOSS/IOSSとの違いを正確に把握する必要があります。
2020年末のBrexitにより、英国はEU VAT制度から離脱しました。これにより、EU向けとは別に英国固有のVAT対応が必要になりました。「EUのIOSSに登録したから英国も大丈夫」は誤りです。英国とEUは完全に別の制度として扱う必要があります。
Brexit後の英国VAT制度の概要
英国のVAT(UK VAT)は、EU VATとは独立した制度です。標準税率は20%で、食品・書籍・子ども服などには軽減税率(0%または5%)が適用されます。
英国への越境ECで特に重要な制度変更
- 低価格商品のVAT免除廃止(2021年1月):135ポンド以下の輸入品の「低価値輸入品免除」が廃止され、すべての輸入品にVATが課税されるようになった
- マーケットプレイス課税(OMP制度):Amazon・eBayなどのプラットフォームが、出品者に代わってVATを徴収・納税する義務を負うようになった
- UK VAT登録義務:英国市場で一定額以上を販売する事業者には、英国VAT登録が必要
英国VAT登録が必要なケース
- 英国内の倉庫(Amazon UK FBAなど)に在庫を保管している場合 → 即時登録義務
- 英国の個人消費者に年間85,000ポンド以上販売している場合
- 135ポンド超の商品を英国消費者に直接販売している場合
英国独自の制度:Making Tax Digital(MTD)
英国ではVAT申告のデジタル化(Making Tax Digital for VAT)が義務化されています。手動での申告は認められず、認定ソフトウェアを通じた電子申告が必須です。これは日本企業にとって特に対応コストがかかる部分です。
EU対応との違いをまとめると
| 項目 | EU(IOSS) | 英国 |
|---|---|---|
| 小口特例 | 150ユーロ以下 | 135ポンド以下(OMP経由) |
| 登録制度 | IOSS(EU1カ国で一括) | UK VAT(英国単独) |
| 申告方法 | 月次申告 | 四半期申告(MTD必須) |
| 税率 | 国別(17〜27%) | 20%(標準) |
よくある間違い
「EUのIOSSに登録したから英国も対応済み」と誤解しているセラーが多くいます。EUのIOSSは英国にはまったく適用されません。英国は独立した制度として別途対応が必要です。